武侠用語集

あ行 暗器(あんき) 広義における小型の隠し武器。
武侠では主に投擲武器を指す。
按察使(あんさつし) 正式官職名は提刑按察使司按察使。
提刑按察使司の長官であり、品階は正三品
駅站(えきたん) 公的文書等の高速運搬を担った郵便制度。
囚人護送等にも利用された。
か行 解元(かいげん) 郷試の主席合格者。
外功(がいこう) 表皮筋骨の練磨や技法の修練等、外的な鍛錬及びその武術。
科挙(かきょ) 隋〜清時代に行われた官僚登用試験。
挙人(きょじん) 科挙の地方試験である郷試の合格者。
斤(きん) 尺貫法における質量単位。作中の一斤は約六百グラム。
擒拿術(きんなじゅつ) 組み技系格闘術。関節技や点穴等を主体とする。
経穴(けいけつ) いわゆるツボ。
経絡同士が合流する要衝。
軽功(けいこう) 中国武術において身を軽くする鍛錬法、またはその技。
軽身功とも呼ばれる。
達人の走力や跳躍力は、常人の数倍にも及ぶ。
経絡(けいらく) 気血が体内を流れる通り道。
十二の経脈と十五の絡脈を総称して経絡と言う。
経歴(けいれき) 正式官職名は提刑按察使司経歴司経歴。
提刑按察使司において下級官僚の統括、公文書の出納等を司る。
品階は正七品。
解穴(げけつ) 特定の経穴を突いて点穴の効果を解く技。
香主(こうしゅ) 秘密結社や犯罪組織等の幹部。
叩頭(こうとう) 跪き、手を地に付け、額を地面に打ち付ける大礼。
湖賊(こぞく) 湖上を横行し、船や集落から財貨を強奪する盗賊。
さ行 巡撫(じゅんぶ) 一省は又はその一部を管轄する明の官職。
軍事を兼務する場合もある。
掌法(しょうほう) 拳を用いる拳法に対し、主に掌や手刀を用いる格闘技術。
水塞(すいさい) 海岸や湖岸等に築かれた砦。
海賊や湖賊等の根拠地との意味もある。
た行 知事(ちじ) 正式官職名は提刑按察使司知事。
提刑按察使司において刑罰の実地調査を司る。
品階は正八品。
朝貢(ちょうこう) 前近代の中国を中心とした貿易の形態。
周辺国からの貢物に中華皇帝が恩賜を与えるという形式。
貢物に対して恩賜が数倍の価値となることが原則。
鳥銃(ちょうじゅう) 小銃のこと。
作中では概ね火縄銃と同義。
点穴(てんけつ) 特定の経穴を突いて経絡を遮断する技。
経穴に応じて様々な身体症状が現れる。
道士(どうし) 道教の信奉者にして修行者。
藤牌(とうはい) 特殊な方法で加工した藤を材料とする牌(盾)。
軽量さと絶大な強靭性を誇る。
な行 内功(ないこう) いわゆる気功。
体内を循環する気流や血流の運行を制御する鍛錬法。
また、これら気血の動きを力として運用する技。
内傷(ないしょう) 外傷とは対照的に、内臓や経絡などの身体内に受けた損傷のこと。
内力(ないりょく) 内功の力。
は行 拝師(はいし) 中国武術界で行われている習慣。
師弟間に擬似親子関係を形成する。
飛蝗(ひこう) 孤独相から群生相へ相変異を起こしたバッタ類。
分類学上はイナゴ類ではない。
ヒョウ(金偏に票)局(ひょうきょく) 民間の警備運送兼保険業。
武林(ぶりん) 多岐に渡る武術門派で構成される武術者の社会、武術界。
文人の社会である文林の対義語。
幇会(ほうかい) 非公開で政治活動等を行う団体。
いわゆる秘密結社。
本草学(ほんぞうがく) 中国古来の植物を中心とする薬物学。
ま行 文(もん) 銭(主に銅銭)の枚数及び貨幣単位。
作中では概算で銀一両が銅銭千文。
や行 熊胆(ゆうたん) 熊の胆嚢を原材料とする高級生薬。
油条(ゆじょう) 発酵させた小麦粉の生地を棒状にして油で揚げた食品。
ら行 里(り) 尺貫法における長さの単位。
明代では約五七六メートル。
両(りょう) 通貨単位ではなく質量単位。
作中では約三十七グラム。
わ行 倭寇(わこう) 本来は日本人海賊の意味。
後期倭寇の構成は日本人が二割程度で、大部分は漢人と朝鮮人。


師弟関係呼称一覧
師 父(しふ):師匠(女性でも師父と呼ばれる)
師 娘(しじょう):師父の妻
師 公(しこう):師父の夫
師 兄(しけい):兄弟子
師 姐(ししゃ):姉弟子
師 弟(してい):弟弟子
師 妹(しまい):妹弟子
師 伯(しはく):師父の兄・姉弟子
師 叔(ししゅく):師父の弟・妹弟子
太師父(たいしふ):師父の師父
※「太」は一世代上を表す(例:太師叔は師父の師叔)


戻る


inserted by FC2 system